ある日ある所

高知県立美術館で開催中のコレクション展,石元泰博フォト・ギャラリー
『ある日ある所」を見て来た。

アメリカ生まれだが,両親が高知出身で,小さいうちに高知に戻り高校まで高知で育ち,その後アメリカで写真を学んだそうだ。

1950年代のシカゴと東京の人や風景の写真という事であるが,プロの写真のすごさに圧倒された。構図の美しさや面白さも,写っている人や物から想像させられる物語も,白黒の美しいプリントも,すごかった。

50年代のアメリカは,日本から見ればすでにあこがれの豊かさを実現していたのだろうけれど,人間臭い,暮らしの匂いがあふれてくる写真だった。日本の写真には,はなたれ小僧の,たれたはなの筋がしっかり写っていた。

子供の写真のシリーズには,日米ともに子供が玩具の銃を構えたり,刀を振り回す姿があって,この子供が持っている攻撃的なところは,どこでも同じで,これが子供の本来の姿だったけれど,最近の子供はどうしているのだろうと思ったりした。
こういう攻撃性は,子供のうちに表しておかないと,きっと後でおかしなことになると思うのだけれど,いまどき友達同士でチャンバラなんかできないのでは,ないかと,心配になったりする。

時代の記録を見るつもりでも面白いし,写真に興味がある人なら間違いなく見応えのある展覧会だと思う。
観覧料350円,コーヒー一杯分より安いくらい。
これはおすすめ。
ちょっと,気がついたのが遅く,展示会の終了は2月26日と迫っている。

追記:無知とは恐ろしい。石元泰博氏は日本の写真の歴史でも巨匠にあげられる,超一流の写真家。圧倒的な力の写真が揃っているわけでした。
でも,知らずに,写真を見てすごいと思ったのだから,すこしは写真を見る目ができて来たのかな,と喜んでいたりもするところです。