幸運な事

金/土曜日にかけて,日本精神経看護学会という専門学会の発表会が高知市文化プラザで開かれていて,そのなかでパリの美術館で開催された「アール・ブリュット・ジャポネ展」にも出店されていたという作品の一部の展示が一般公開されていて見る事ができた。

しばらく前に,NHK日曜美術館アール・ブリュット・ジャポネ展が特集されていて,実際に見てみたいものだ,と思っていたので,何とも幸運だった。

アール・ブリュットとは,『伝統や流行,教育などに左右されず,自身の内側から沸きあがる衝動のままに表現した芸術,加工されていない生(き)の芸術,英語ではアウトサイダー・アートと称されている」(アール・ブリュット・ジャポネ展 ニューズレター)
だそうだ。すべてではないだろうが,精神/知的障害を持って,社会的には何らかの特別な助けを受けて生活している人たちがその作家達の様である。

突然,絵を描き始めた人,とにかくその人が拘りを止める事のできない作業として製作を続けているような物で,ほとんどは人に見てもらうことは意図されていないようだ。

ところが,それがすごく人を惹き付ける。
段ボールの切れ端に描かれた絵は,長い間色々な民族で受け継がれるタペストリーの絵にも,古代の壁画の絵のようにも見えた。

いろんな作品が,人間が絵を描いたり,何か形のある物に表そうとする行為そのもの原点を表しているように見えた。

理屈はどうでもよくて,また,もっとたくさん,もっとゆっくりと見たいと思った。