地キビ

先日,スーパーマーケットの地産地消コーナーで地キビというトウモロコシが並んでいた。

昔ながらの品種で,とにかく固いので,トウモロコシの列に隙間ができてくるくらいまで,しっかり茹でてくださいと書いてあった。

トウモロコシと言えば,子供の頃,父方の田舎へ行ったときに食べられるトウモロコシの味がおいしいトウモロコシの手本だった。その頃のトウモロコシは,まだ今のスイートコーンではなくて,甘みは少なく固い物だったように記憶している。
その後,田舎に行くと母が,昔来たときはもっと固いトウモロコシで,あれがとても好きだったのだと,何度も言っていたのを覚えているので,次第に甘い品種に取って代わったのだろう。

子供の頃の記憶が美味しいものの基準となるので,未だに,水っぽく甘いスイートコーンはあまり好きでない。タイにいた時は,少し田舎に行くとあまり甘くない,ちいさめのトウモロコシを見かけ,好んで食べた。

さて,今回の地キビ,記憶にあるトウモロコシどころではない,しっかりと固い物だった。
浅くゆでたままでは,まるでゆで上がっていないパスタのように,粉っぽく固い。
しっかりと火を通しても,まだ,しっかりと歯ごたえのある物だった。

これを食べて,世界の方々でトウモロコシが粉として轢かれてから,調理されている事に納得がいった。

売り場には,甘くないです,甘くないです。としつこいくらいに説明書きがされていた。
今時万人受けしない味なのだろうが,ぜひ栽培が続けられて残ってほしい。