気になるタイの洪水

タイの洪水のニュースが日本でも頻繁に伝えられるようになっている。
自動車,電気,精密機械関係の日系企業の工場のある工業団地が相次いで浸水したため,その影響を伝えるニュースが多いが,次第にバンコク市内の生活にも心配が出て来ているようすだ。

かつて,自分の働いていた職場は,とうとう昨日,押し寄せた水に土嚢の堤は耐えきれず
,冠水した。今日はもう2mほどの深さになっているようだ。
なじみの風景がまるで,湖のよう。自分のいた部屋も今は腰当たりまでの水になっているのだろう。幸い,皆避難は完了しているとのことですこしだけ安堵した。
と,いいながら,自分が残してきた物が少しある事を思い出した。。。

心配で,洪水情報をネットを調べていると,深刻さを伺わせる写真の一方,驚くほど,のんきに楽しそうに,ボートを漕ぐ人,投網を打つ人,軒先から釣り糸を垂らす人の写真が。新聞の報道写真も,あふれた水の上に高速道の案内板表示があり,その下を潜って飛んでゆきそうな水鳥の姿を映していたりと,どこかこの状況に笑いを含めて伝えている。
きっと,多くのタイの人にとっては,ついこの前まで,あたりまえの事だったはず。この10~20年ぐらいで,急速に,本来の自然を忘れた街に暮らすようになっただけなのだろう。

まだ,きっと日本のテレビやネットで見るほど,多くの人の暮らしは深刻ではないと思うのだが,これがもっと拡大したり,長期化すればそうもいかない。